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眼の健康を、もっと身近に。東北から世界へ広がる新たな挑戦

株式会社日本眼科医療センター 代表取締役 郡山知之

卸売業・小売業 その他の業種 令和7年度支援先企業 事業拡大

2026.01.19

眼科医療機器の販売とアフターメンテナンスで東北エリアに圧倒的なシェアを誇る株式会社日本眼科医療センター。同社は東北大学との産学連携により、手軽で簡単にセルフチェックできる眼の健康チェックデバイス「MEOCHECK NEO(メオチェック ネオ)」を商品化しました。見え方の不調を早期に発見し、生活の質(QOL)向上をサポートするこの革新的な機器は、国内普及に加え、タイ市場への展開も視野に入れながら、地域医療と健康福祉をつなぐことで眼のトータルサポーターとして、さらなる成長を目指しています。

産学連携で実現した革新。眼の健康を身近にチェックできる時代へ

弊社は、50年にわたり眼科医療機器の販売・アフターメンテナンス事業を展開し、東北6県の総合病院や開業医から厚い信頼を得ています。特に宮城県内では大きなシェアを誇っています。

私が代表取締役を引き継いだ2011年は、東日本大震災という未曾有の危機に直面した年でもありました。困難を乗り越え、支援を受けながら事業を継続できた経験は、「社会に貢献する企業でありたい」という強い使命感を芽生えさせました。その思いが、自社ブランド製品の開発・販売を目標に掲げ、将来的には眼の健康をトータルサポートする存在になるというビジョンにつながっています。

転機は2018年、東北大学医学部眼科学講座との産学共創プロジェクトが始動したことです。テーマは、眼の不具合を早期発見する民生機器の開発でした。失明につながる重大な疾患も、早期発見できれば治療開始を早め、進行を防ぐことができます。

しかし、どちらかの眼に視野の欠損がある場合などは、片眼が補正するため自覚症状が出にくく、自分では見えにくさに気づかない。自覚症状がなければ、病院で検査を受けるという行動はなかなか起こりません。

そこで、手軽で簡単にセルフチェックできる機器が必要だと考えました。重要なのは「簡単操作」と「コンパクトさ」です。レーザー網膜投影技術(※)を持つメーカーのQDレーザー社と連携し、世界唯一の特許技術を応用することで、2022年に眼の健康支援装置の1号機を製品化しました。さらに性能を改良したのが、新製品「MEOCHECK NEO」です。研究は東北大学、技術はQDレーザー、そして弊社は両者をつなぎ、利用者の見え方に関する調査を研究にフィードバックする役割を担いました。

(※)赤・緑・青の微弱なレーザー光を瞳孔を通して網膜に直接高速で走査(スキャン)し、網膜をスクリーンにして映像を描き出す技術

「MEOCHECK NEO」の機器一式は小さなテーブルに乗るサイズ。
血圧計や体脂肪計を使用するような感覚の簡単操作で、片目ずつチェックします。
チェック結果は即座にプリント。自分の眼の健康を把握する大切な目安となります。

眼のセルフチェックがQOLを向上させる

この20年で私たちの眼の健康が大きく損なわれています。要因はパソコンやスマートフォンの長時間使用です。眼に負担がかかり、ドライアイや近視などを引き起こし、将来の疾病につながる可能性が高まっています。とはいえ、パソコンやスマホの使用をやめることは現実的ではありません。その分、こまめに眼の健康を意識し、自分の見え方と変化を知ることが肝要になってくるわけです。

「MEOCHECK NEO」はスイッチを押すだけの簡単操作で、所要時間は片眼わずか40秒。一般的な視野検査機器と比較し、短時間で手軽にチェックできるため継続利用することで眼の健康に対する意識向上に期待できます。見本市出展やドラッグストアでのデモンストレーション、健康イベントへの参加を積極的に行っており、ドラッグストアや家電量販店で血圧計の隣に並ぶ日も近いと想像しています。

さらに、企業への導入も視野に入れています。特に、就労ドライバー関連では、ドライバーの眼の健康管理が業務効率や安全性に起因します。

「1社に1台」を合言葉に販売促進を加速して、2034年の売上高100億円達成を目指します。

「MEOCHECK NEO」開発には、郡山知之代表の人脈を生かし、タクシー会社などの協力を得て実証実験を重ねました。

東北からタイへ。広がるネットワークと新たな可能性

海外展開については、タイ市場に焦点を絞り、「MEOCHECK NEO」の販売促進に取り組んでいます。きっかけはタイで開催された国際見本市の仙台市ブース出展事業に採択されたことでした。これを契機にさまざまなネットワークが広がり、タイ眼科医会のキーパーソンであるドクターやタマサート大学のドクターとのつながりが生まれ、「MEOCHECK NEO」を研究に活用いただけることになりました。

さらに、弊社から旧知の東北大学の教授を紹介し、両大学による共同研究がすでに進行しています。もともと両大学は大学間協定を結んでいたため、連携はスムーズでしたが、弊社の知見とネットワークを活かし、研究者同士をピンポイントでマッチングできたことはとても価値のある成果だと考えています。また、弊社が仙台市の支援先企業として訪問したこともタイでの信頼醸成に寄与しました。

タイ国内の健康福祉分野の需要は想像以上に大きく、共同研究の結果が普及を後押しするエビデンスとなることを期待しています。加えて、弊社は長年ベガルタ仙台をスポンサードしてきましたが、タイのサッカーチーム、「バンコクFC」も新たにサポートさせていただきました。これも人と人のつながりが生んだ大切なご縁です。

「タイへの進出はさまざまなご縁が重なって実現しました。日ごろから多方面と密なコミュニケーションを構築してきた成果です」と語る郡山知之代表。

社員の士気が企業を動かす。全国展開への布石

弊社の直近期の売上高は47億円です。100億円という目標は壮大に見えるかもしれませんが、社内では現実的なアイデアが次々と生まれています。そもそも自社ブランド製品の開発を表明した時点で社員のモチベーションが高まり、「MEOCHECK NEO」のプロジェクトの始動でさらに士気が高まりました。こうした大きな目標の提示は企業の成長にとって非常に大切だと実感しています。

成長戦略の柱は、既存事業(医療眼科機器の販売とアフターメンテナンス)の販路拡大と「MEOCHECK NEO」の販売強化です。加えて、地域貢献度の高い新規事業への進出や他業界とのM&Aも視野に入れています。また、仙台本社の増設や東京営業所の新築移転など、全国展開に向けた拠点整備も進行中です。

仙台本社にはメンテナンスルームがあり、取引先の機器の保守点検や不具合時の修理にもスピーディに対応している。こういった技術系職員を抱えるのは全国的に見ても珍しい。

データと人材で未来を描く。地域中核企業への挑戦

弊社の課題は、第一に売上の的確な分析、第二に人材育成と人事評価です。今回の仙台市地域中核企業輩出集中支援事業の伴走支援では、これらの点に大きな期待を寄せています。

売上分析については、これまで蓄積してきたデータをもとに、売上が上下する要因を的確に把握できるソフトを活用したいと考えています。例えば、顧客を段階ごとに分類し、それぞれをグレードアップさせる方策を可視化することで、社員が共通認識を持ち、個々の営業戦略を進めることが可能になります。

一方、人材育成と人事評価については、中間管理職の育成と新人教育を同時並行で進め、人事評価方法を統一していく必要があります。これは、そう遠くない将来に控える事業承継を視野に入れての取り組みです。私自身が承継した際にさまざまな困難を経験したことから、後任には弊社の理念から実務までを円滑に引き継ぎたいという強い思いがあります。

人間の眼は大切に使えば100年見えると言われています。現在、弊社では眼科領域における遠隔診療支援機器の開発を進めています。私たちが目指すのは、単なる売上の拡大ではありません。これまで積み重ねてきた技術と信頼を最大限に生かし、地域医療と健康福祉の架け橋となる企業へと進化することです。

私たちは、仙台から全国へ、そして世界へと、医療と福祉の新しい価値を届ける企業へと飛躍し、地域の中核となる企業へ成長していきたいと考えています。

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企業情報

株式会社日本眼科医療センター

眼科医療機器販売、販売事業、アフターメンテナンス、開業支援、ロービジョンケア
業種
卸売業・小売業 その他の業種
住所
仙台市泉区桂四丁目33番地の3
TEL
022-374-2226
HP

キーワード: 卸売業・小売業 その他の業種 令和7年度支援先企業 事業拡大

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